ライブドア錬金術のメカニズムを解明する:脱税編

 そして、○○○商科大学や○○大学といった大学は、ドクターすなわち博士号を乱発する大学であることでも知られている。博士号を乱発するとはどういうことか、少々ご説明申し上げよう。

 我が読者のうち、博士号を取得している方は極めて少数であると思われる。医師等は除き、一般的に我が国の大学において博士号を取得するのは極めて困難だからである。傍目には、大学院の博士課程を修了し、博士論文を提出すれば博士号は自動的に授与されると思われがちであろう。大学院博士課程の全過程修了には9年という長い年月がかかるため、そのようにも思われるのかもしれない。しかし、我が国の大学、特に文系の学部においては、博士号は簡単には授与されない。これは、博士号を乱発することの弊害を恐れた明治以来の悪癖とされている。つまり、簡単に博士号を出すことの結果、各大学のブランド的インフレーション将来を恐れた結果とされている。
 
 例えば、我が国私大の雄○應大学であるが、文系博士は近年ほとんど出現していない。博士課程に進む学生は多いが、そのほとんどに対し、博士号は授与されない。では、それらの学生たちは、過程終了後、どのような位置づけになるかというと、軒並み「単位取得満期退学」または「博士課程終了」という、摩訶不思議な履歴を語ることになる。一般的には、それらの「履歴」は「博士号取得」と「同等」とされており、学生が博士課程へ進む上での障害にはならない。要するに、博士号という記念品を与えるかどうか、という類の議論にしか過ぎない。しかし、税理士試験における「ダブルドクター」制度を利用という場合にはこれは重要で、「単位取得満期退学」ではダブルドクターの対象とならないのだ。

 このため、冒頭に挙げた○○○商科大学や○○大学といった大学は、そのような、出来るだけ簡単に税理士になろうという「ニーズ」に対応し、博士号を乱発することになるのである。実際、斯様な大学には日本全国から馬鹿息子的学生が集まっており、活況を呈しているようである。

 他に、弁護士および会計士は、登録をすれば自動的に税理士登録される。弁護士および会計士は、税理士の上位資格であるため、そのような制度になっているのであろう。なお、弁護士についても、つい最近まで無試験で弁護士になる道があった。簡単にいうと、どこかの大学の法学部で講師以上の職務を一定期間以上経験し、法務省に申請すれば弁護士免許が付与されるというものであった。近年の法制度改革により、さすがにこの制度は廃止されたが、廃止がアナウンスされるやいなや、全国の大学から間際の申請が殺到したという。モラトリアム的にどこかの大学に学生としていつづけ、その結果、運良く大学の講師になるというのは良くある話であるが、それがたまたま法学部であった場合、上のような幸運に巡りあえたのである。我が国の資格制度というものは、何らかの形で穴が開いているようである。
(次回へ続く)