医療業界という名の有望投資先:自由診療制度なるニュービジネス★★

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医療業界という名の有望投資先:自由診療制度なるニュービジネス★★ダイジェスト版★★ 1/5〜1/10


 現在、大きな投資機会を秘めた医療業界。特に自由診療制度」は注目だ。我が国の医療制度は、国民皆保険を基盤とし、公保険と私保険に分かれる。公保険は、被保険者が支払う保険金が健康保険組合等の保険者にプールされ、被保険者が医療サービスを受けると保険者から医療機関に診療報酬が支払われる。このような医療サービスを「保険診療」と呼ぶ。

 「保険診療」は、「診療報酬」に基づき実施される。「診療報酬」とは、医師の診療行為を標準化し、行為毎に報酬金額を定めたもので、例えば風邪を引いて診療所へ行くと「初診」を受け、一般的には2,740円が診療所へ支払われる。この他に「検査」「指導管理」「投薬」「処置」といった行為があるが、それ以外の診療行為が全く出来ないわけではない。例えばある医師が「保険金はいらないから好きな診療をする」としても何ら問題ないのだ。「自由診療」とは、これらの背景をベースにした診療行為である。

 「自由診療」として考えられるのは、医療保険が最初から適用されないケースである。例えば、出産は適用されず、多くの女性は出産一次金を取得し、コストを最低限におさえる。その一方、安全で快適な出産を望む富裕層の女性に注目し、サービス性を高めたマタニティクリニックが出現する。また、美容整形も適用外だが、「美しくなりたい」という女性のニーズは万古普遍であり、それに対応する供給が必ず出現する。

 これらのポイントは、医師が報酬額を自由に設定出来る点にある。そして、それはマーケットプライスであるため、高度のニーズに対応するか広範囲なニーズに対応すれば、かなりの利益が獲得できる。最近はこれらのビジネスチャンスに呼応するように外部、特にITベンチャーからの参入が見える。

 また、自由診療ビジネスの周辺における、派生・関連ビジネスにも注目だ。とりわけ注目は、医療保険ビジネスである。セコムの子会社、セコム損害保険は、がん治療の自由診療を対象とした医療保険を発売し、売上げを伸ばしている。これは、自由診療にかかる医療費を被保険者の「実損」とし、それに対して保険金を「医療サービス」という「現物」で給付する。外資系保険会社等の「がん保険」は、「がん」と診断された場合に「現金」を給付するもので、支払う保険料に見合った保険金を給付するに過ぎない。

 セコムの保険は、自由診療制度と連動した医療分野において、フィールドを広げてゆくだろう。同社が今後どのような「疾病」にフォーカスするかは分からないが、医療費が高額で国民の多くがリスクを持つ「疾病」なのは間違いない。私的医療保険は、生命保険、損害保険に続く「第三分野の保険」とされ、ベンチャービジネス的保険が開発されてきた。今後極めて有望な分野である。