ベンチャーキャピタルを解説する 9

投資で勝てる人は、実は一握り
正しい知識を身につけ、知的投資家になろう!

知的コラム☆「ベンチャーキャピタルを解説する」
★★★本日・9日目★★★ 好評連載中!!!

〜◆〜 プレ知識 〜◆〜
 ベンチャーキャピタル(以下、「VC」)は、アメリカで誕生した。
 近代的VCは、金融業における銀行や証券業と同様、社会経済的事業
 としてある程度概念が一般化され、かつ、事業内容が平準化された
 ものと定義したい。
 VCの一般的なビジネスモデルとは、ベンチャー企業に投資をし、育成し、
 Exitさせて売却益を得ることである。VCによる投資は通常、複数のVCに
 よって行われ、その中で一番早く一番大きなシェアを取って主体的に
 動くことをリードと呼ぶ。


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ベンチャーキャピタルを解説する 

 さて、ここでベンチャーキャピタルプライベートエクイティの違いについて説明しておこう。以前のコラムで、いわゆる企業再生ファンドとプライベートエクイティについて解説したことを覚えておられるだろうか。プライベートエクイティとは、未公開株式に対する投資全般を意味する。その意味で、上場企業に対するM&A投資やTOB投資はプライベートエクイティではない。今日話題になっている村上ファンドは、主としてTOB投資を行っており、広義な意味でのプライベートエクイティではなく、むしろ上場企業をターゲットにしたバイアウトファンドである。なお、この違いは投資プロセスの様々な局面において重要であり、詳細については後に解説する。

 プライベートエクイティは未公開株式をターゲットにし、企業価値を高めて何らかのかたちでエクジットさせ、キャピタルゲインを獲得する。なお、未公開株式をターゲットとする点においてベンチャーキャピタルプライベートエクイティの一種であると言える。論理集合的な言い方をすればベンチャーキャピタルプライベートエクイティという集合に含まれ、ベンチャーキャピタルであればプライベートエクイティであるということになろう(ことさらに言うまでもないが、上の命題の逆は真ではない。プライベートエクイティであればベンチャーキャピタルでは必ずしもない)。

 プライベートエクイティの一種であるベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業の株式という未公開株式に投資を行い、IPOまたはM&Aというエクジットをさせてキャピタルゲインを獲得する。その意味で、ベンチャーキャピタルを成立させる十分条件は、ベンチャー企業に投資を行うということになろう。

 このようなことをあえて言うのは、プライベートエクイティの種類は様々であり、それぞれの手法や運用スキームによって投資対象やエクジット方法が大きく違っているからである。例えば、ベンチャーキャピタルのスキームとその他のプライベートエクイティ投資、例えばバイアウト投資といったものを単純に並列して比較し、同様の運用パターンを応用することが必ずしも出来ない。例を挙げると、プライベートエクイティ投資において案件を発掘することは重要なプロセスの一部であるが、ベンチャーキャピタルの案件発掘方法と、バイアウトファンドの案件発掘方法は、恋愛結婚とお見合い結婚ほどの違いがあるのだ。

 では、一般的なベンチャーキャピタルは、どのようにして案件を発掘しているのであろうか。これを知るには、まずは我が国のベンチャーキャピタルの、タイプ毎の特性を理解しておく必要がある。なぜなら、我が国のベンチャーキャピタルは、前述したように、極めて千差万別であり、その形態や文化、運用形式が、それぞれまったく異なっているからである。
(次回へ続く)